一軒家のトイレで流れが悪い!原因と自分でできる対処法、業者依頼の判断基準

一軒家のトイレの流れが悪くてお困りのあなたへ。
この記事を読めば、その原因を突き止め、自分でできる対処法から業者に頼むべき判断基準まで、すべてが明確になります。
もうトイレのことで悩む必要はありません。
具体的には、トイレタンクの問題、便器や排水管のつまり、一軒家特有の排水トラブルといった原因を詳しく解説。
さらに、ご自身で試せる応急処置、やってはいけないNG対処法、信頼できる業者の選び方、そして再発防止策まで網羅しています。
この記事が、あなたの不安を解消し、快適なトイレ環境を取り戻すためのお力になれれば幸いです。
目次
なぜ?一軒家のトイレで流れが悪くなる主な原因

トイレの流れが悪いと、毎日使う場所だけに本当に困ってしまいますよね。
特に一軒家の場合、原因は一つとは限らず、いくつかの可能性が考えられます。
ですがご安心ください、私と一緒に主な原因を一つひとつ確認していきましょう。
主な原因は大きく分けて、トイレ本体の問題、排水管のつまり、そして一軒家特有の排水系統の問題が挙げられます。
トイレタンク内の水量・水圧不足
まず考えられるのは、トイレを流すための水の量や勢いが足りていないケースです。
これが原因だと、便器内の汚物やトイレットペーパーをしっかりと押し流すことができず、流れが悪くなってしまうんです。
具体的には、以下のような状況が考えられます。
タンク部品の不具合や設定ミス
トイレタンクの中には、水を溜めたり流したりするための部品がいくつか入っています。
例えば、タンクに給水する役割の「ボールタップ」や、便器へ水を流す栓の役割をする「フロートバルブ(ゴムフロートとも言います)」などですね。
これらの部品が経年劣化で破損していたり、パッキンが摩耗していたり、あるいは水位を調整する部品の設定が何らかの理由でズレてしまったりすると、タンク内に十分な水量が溜まらなくなります。
結果として、流す水の勢いが弱くなり、流れが悪くなる原因となるのです。鎖が外れていたり、引っかかっていたりするだけでも正常に作動しませんので、一度タンクのフタを開けて確認してみるのも良いかもしれません。
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節水意識が招くトラブル
水道代を節約したいというお気持ちは、私もよく理解できます。
ですが、例えばトイレタンクの中にペットボトルやレンガなどを入れて無理に水量を減らすような節水方法は、実はトイレのつまりを引き起こす原因になりやすいんです。
トイレメーカーは、汚物をきちんと流しきるために必要な水量を計算してタンクの大きさを設計しています。
この水量が不足すると、トイレットペーパーなどが途中で止まってしまい、流れが悪くなることがあります。
また、大便の際に「小」レバーで流すことを繰り返すのも、同様に水量不足を招き、つまりの原因となることがありますので注意が必要ですね。
便器内や排水管のつまり
次に多いのが、便器の中や、その先につながる排水管に何かが詰まってしまっているケースです。
これは比較的イメージしやすい原因かもしれません。
水の通り道が物理的に塞がれてしまうと、当然ながら流れは悪くなりますし、ひどい場合には完全に流れなくなってしまうこともあります。
トイレットペーパーや流せるシートの過度な使用
「トイレットペーパーは水に溶けるから大丈夫」と思いがちですが、一度に大量のトイレットペーパーを流してしまうと、完全に溶けきる前に排水管の曲がり角などで詰まってしまうことがあります。
特に、海外製の厚手のものや、吸水性が高いトイレットペーパーは注意が必要です。
また、「トイレに流せる」と表示されているお掃除シートや赤ちゃんのおしりふき、ペット用の流せる砂なども、製品によってはトイレットペーパーほど速やかに溶けないものがあります。
これらも少量ずつ流すことを心がけ、できれば可燃ごみとして処理する方が安心です。
パッケージの注意書きをよく確認し、使用量を守ることが大切ですね。
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水に溶けない固形物・異物の誤流
これは本当に注意していただきたいのですが、スマートフォンやボールペン、お子様のおもちゃ、生理用品、紙おむつ、タバコの吸い殻、食べ残しといった水に溶けない固形物を誤ってトイレに流してしまうと、ほぼ確実に詰まりの原因となります。
特にポケットに入れていたものを落としてしまったり、小さなお子様が知らずに流してしまったりするケースが後を絶ちません。
これらの固形物は排水管の途中で引っかかり、深刻なつまりを引き起こします。
万が一流してしまった場合は、ご自身で無理に取り出そうとせず、速やかに専門業者にご相談いただくのが賢明です。
長年の汚れや尿石の蓄積
毎日使うトイレですから、目に見えない排水管の内部には、少しずつ汚れが蓄積していきます。
特に、尿に含まれるカルシウム成分などが化学反応を起こして固まった「尿石」は、非常に硬く、排水管の内側にこびりついて水の通り道を狭めてしまう厄介な存在です。
これが長年にわたって蓄積されると、トイレットペーパーなどが引っかかりやすくなり、結果としてトイレの流れが悪くなる原因となります。
普段からこまめに掃除をしていても、排水管の奥まではなかなか手が届かないため、定期的な専門業者による配管洗浄も効果的ですよ。
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一軒家特有の排水系統の問題
最後に、マンションなどの集合住宅とは異なり、一軒家ならではの排水系統に起因する問題も考えられます。
一軒家の場合、敷地内の排水設備全体がトイレの流れに関わってくるため、原因の特定や対処が複雑になることがあります。
排水管の勾配不良や老朽化
一軒家のトイレから公共下水道や浄化槽へとつながる排水管は、汚物がスムーズに流れるように、適切な「勾配(傾き)」をつけて設置されています。
しかし、新築時の施工不良、経年による地盤沈下、あるいは地震などの影響でこの勾配が狂ってしまうと、水の流れが悪くなったり、汚物が途中で滞留しやすくなったりします。
また、排水管自体も永久に使えるわけではありません。
古い塩ビ管や陶管などは、経年劣化によってひび割れたり、接続部分がズレたりすることもあり、これが流れの悪さや詰まり、さらには水漏れの原因となることがあります。
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敷地内の排水マス・最終マスの詰まり
一軒家の敷地内には、通常、屋外に「排水マス(汚水マスとも言います)」と呼ばれる点検口がいくつか設置されています。
これは、キッチンやお風呂、洗面所、そしてトイレなど、家中の排水が集まり、公共下水道や浄化槽へと流れていくための中継地点であり、点検や清掃のために設けられています。
この排水マスや、それらが合流する最終マスに、油汚れ、食材カス、髪の毛、洗剤カス、木の葉や土砂などが長年蓄積して詰まってしまうと、家全体の排水の流れが悪くなり、結果としてトイレの流れにも影響を及ぼすことがあります。定期的な点検と清掃が非常に重要ですね。
浄化槽の不調(設置されている場合)
お住まいの地域が公共下水道の整備区域外である場合、敷地内に「浄化槽」が設置されていることと思います。
浄化槽は、微生物の働きを利用して家庭排水をきれいにしてから放流するための大切な設備です。
しかし、この浄化槽の定期的な保守点検や清掃(汲み取り)を怠ったり、浄化槽へ空気を送るブロア(送風機)が故障したりすると、浄化機能が著しく低下し、処理しきれない汚泥が溜まって詰まりや悪臭、さらには逆流の原因となることがあります。
浄化槽法で定められた維持管理をきちんと行うことが、トイレを快適に使うためにも不可欠です。
庭木などの根の侵入
これは少し意外に思われるかもしれませんが、庭に植えられた樹木の根が、地中の水分を求めて排水管に侵入し、管を詰まらせたり破損させたりすることがあります。
特に、排水管の接続部分のわずかな隙間や、古い陶管のひび割れなどから根が入り込み、管内で成長して水の流れを完全に塞いでしまうケースも少なくありません。
木の成長はゆっくりですが、気づいた時には深刻な被害になっていることもありますので、排水管の近くに大きな木を植える際は注意が必要ですし、原因不明の流れの悪さが続く場合は、この可能性も疑ってみる必要があります。
トイレの流れが悪い状態を放置するリスクとは?

一軒家のトイレの流れが悪いと感じたとき、「まだ大丈夫だろう」「そのうち直るかも」と安易に考えて放置してしまうのは、実はとても危険なことなんです。流れが悪い状態は、トイレが発しているSOSのサインであり、これを無視すると、後々さらに大きな問題へと発展してしまう可能性が高いのです。
具体的にどのようなリスクがあるのか、放置することで起こりうる困った状況をまずは一覧で見てみましょう。
放置による主なリスク | 具体的な影響や状況 | 知っておいてほしいポイント |
---|---|---|
悪臭の発生と衛生環境の悪化 | 排水管内に汚物や雑菌が滞留し、腐敗することで下水のような不快な臭いやカビ臭が発生します。コバエなどの害虫の発生源となることもあります。 | 特に気温や湿度が上がる季節は、臭いや雑菌の繁殖が急速に進みやすいので注意が必要です。ご家族の健康にも関わってきます。 |
完全なつまりによる汚水の逆流・溢れ | 流れが悪い状態が悪化し、排水管が完全に塞がってしまうと、行き場を失った汚水が便器から逆流し、床へ溢れ出すことがあります。 | 床材の汚損やシミ、カビの原因になるだけでなく、清掃や消毒にも大変な手間と時間がかかります。精神的なショックも大きいですよね。 |
家屋への水漏れ被害と修繕費用の増大 | 溢れた水が床下へ浸水した場合、床材の腐食やシロアリの発生原因になることがあります。また、排水管の奥で問題が深刻化すると、修理が大掛かりになり、費用も高額になる傾向があります。 | 初期の対応が遅れるほど、被害範囲が広がり、結果的に修理費用もかさんでしまうケースが少なくありません。見えない部分での被害進行も心配です。 |
これらのリスクについて、もう少し詳しくご説明させていただきますね。
下水の悪臭の発生と衛生環境の悪化
トイレの流れが悪いということは、排水経路のどこかで水や汚物がスムーズに流れずに留まっているということです。
この留まった汚物や、そこに付着した雑菌が時間とともに腐敗し、不快な臭いを発生させる主な原因となります。
最初は「なんとなく臭うな」程度かもしれませんが、放置すればするほど臭いは強くなり、トイレのドアを開けるたびに顔をしかめるような状況にもなりかねません。
特に、梅雨時や夏場など、気温と湿度が高い季節は雑菌の繁殖が活発になるため、臭いの悪化も早まります。
また、この溜まった汚物や湿気は、コバエやチョウバエといった不快な害虫を呼び寄せる原因にもなります。
これでは、せっかくきれいに掃除していても、衛生的なトイレ環境とは言えませんよね。ご家族の健康を考えても、決して見過ごせない問題です。
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完全なつまりによる汚水の逆流・溢れ
流れが悪い状態を放置し続けると、最終的には排水管が完全に詰まってしまうことがあります。
こうなると、水を流しても排水されず、便器内の水位がどんどん上昇し、ついには便器から汚水が溢れ出してしまうという、最も避けたい事態を招く可能性があります。
床が汚水で水浸しになれば、その清掃や消毒は本当に大変です。
床材によってはシミになったり、臭いが染み付いてしまったりすることも考えられます。
特に一軒家の場合、マンションのように階下への水漏れを心配することは少ないかもしれませんが、床材がフローリングやクッションフロアの場合、水分によって変形したり、床下の木材が腐食したりする原因にもなりかねません。
想像するだけでも、本当に困ってしまいますよね。
家屋への水漏れ被害と修繕費用の増大
トイレの流れが悪いという初期のサインを見逃し、問題が深刻化してから業者に依頼すると、修理費用が高額になるケースが一般的です。
例えば、ご自身でラバーカップ(スッポン)を使って簡単に解消できたかもしれない軽度のつまりが、放置によって排水管の奥深くで固着してしまい、専門的な高圧洗浄機が必要になったり、場合によっては便器を取り外す作業や、床下・壁内の配管工事が必要になったりすることもあります。
さらに、前述のように汚水が溢れて床材や壁紙を汚損・腐食させてしまった場合、その修繕費用も別途発生します。
見えない床下で水漏れが進行し、建物の基礎部分にまで影響が及ぶようなことになれば、その被害は甚大です。
「まだ大丈夫」「もう少し様子を見よう」という判断が、結果的に大きな経済的負担と、修理にかかる長い時間という形でご自身に返ってくる可能性があることを、どうか覚えておいてください。早めの対処が、被害と費用を最小限に抑える一番の近道なのです。
自分で試せる!トイレの流れが悪い時の応急処置と対処法

トイレの流れが悪いと、本当に困ってしまいますよね。
でも、ご安心してください。
詰まりの原因によっては、ご自身で解決できることも少なくありません。
ここでは、私がプロの水道屋として、ご家庭で試せる応急処置と具体的な対処法を、順を追って丁寧にご説明しますね。
まずは慌てず、状況を確認しながら安全第一で作業を進めていきましょう。
もし途中で「これは難しいな」と感じたら、無理せず専門業者に相談することも大切ですよ。
まずは確認!止水栓の場所と操作方法
トイレのトラブルに対処する際、最初に行っていただきたいのが止水栓を閉めることです。
これを怠ると、作業中に水が溢れ出て床が水浸しになるなど、被害が拡大してしまう可能性があります。
落ち着いて、まずは止水栓の場所と操作方法を確認しましょう。
止水栓は、トイレタンクに給水している管の途中に設置されています。
多くの場合、以下の場所にあります。
- 床から出ている給水管:便器の近くの床部分
- 壁から出ている給水管:便器の側面の壁部分
形状は、ハンドルを手で回すタイプや、マイナスドライバーを使って溝を回すタイプが一般的です。
操作方法は、基本的に時計回りに回すと水が止まり、反時計回りに回すと水が出ます。
固くて回しにくいこともありますが、無理に力を加えると破損の原因になるため、ゆっくりと慎重に操作してくださいね。どうしても固い場合は、専用の工具が必要になることもあります。
作業が終わったら、必ず止水栓を開けて水の流れを確認することも忘れないでください。
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【原因別】自分でできる対処ステップ
トイレの流れが悪くなる原因は様々ですが、ここでは代表的な原因ごとに対処法を解説していきます。
ご自身の状況に合わせて、試してみてください。
タンクの水量不足:水位調整と部品点検
トイレを流す水の量が少ないと、当然ながら流れは悪くなります。
まずはトイレタンクのフタを開けて、中の水量を確認してみましょう。
確認ポイント:
- タンク内の水位:タンクの内側には、標準的な水位を示す「WL(ウォーターライン)」という印があることが多いです。この線よりも著しく水位が低い場合は、水量不足が考えられます。
- ボールタップの不具合:浮き球(ボールタップ)が引っかかっていたり、アームが破損していたりすると、正常に給水が行われません。浮き球がスムーズに上下するか、アームに異常がないか確認しましょう。多くのボールタップには水位を調整するためのネジが付いているので、これを回すことで水位を調整できる場合があります。
- フロートバルブの不具合:タンクの底にあるゴム製の栓(フロートバルブ)が劣化していたり、レバーと繋がる鎖が外れていたり、緩んでいたりすると、タンクに水が溜まらなくなったり、逆に水が止まらなくなったりします。鎖が適切な長さに調整されているか、ゴム部分に亀裂や変形がないか確認してください。
これらの部品はホームセンターなどで購入し、ご自身で交換することも可能です。
ただし、部品の選定や交換作業に自信がない場合は、無理せず専門業者に依頼するのが安心です。
間違った部品を取り付けたり、作業を誤ったりすると、水漏れなど別のトラブルを引き起こす可能性もありますからね。
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軽度のつまり:ぬるま湯を流す方法と注意点
トイレットペーパーや便など、水に溶けやすいものが原因で軽いつまりが起きている場合、ぬるま湯を流すことで解消できることがあります。
これは、ぬるま湯によってつまりの原因物がふやけ、流れやすくなる効果を期待するものです。
手順:
- 便器内の水位が高い場合は、灯油ポンプや容器を使って水を汲み出し、水位を下げます。溢れさせないように注意してください。
- バケツなどに40~50℃程度のぬるま湯を用意します。熱湯は絶対に使用しないでください。便器が陶器でできているため、急激な温度変化で割れてしまう危険性があります。
- 便器の排水口めがけて、少し高い位置からゆっくりとぬるま湯を注ぎ入れます。
- そのまま30分~1時間程度放置します。
- 時間が経ったら、バケツで水を少しずつ流し込み、流れが改善したか確認します。いきなりタンクの水を流すと、つまりが解消されていない場合に水が溢れることがあるので注意しましょう。
この方法は、あくまで軽度のつまりに対するものです。効果が見られない場合は、他の方法を試すか、専門業者に相談しましょう。
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つまりの解消:ラバーカップ(スッポン)の正しい使い方
トイレつまりの代表的な解消道具といえば、ラバーカップ(通称スッポン)ですね。
一家に一台あると安心なアイテムです。正しく使うことで、効果的につまりを解消できます。
準備するもの:
- ラバーカップ(トイレの排水口の形状に合ったものを選びましょう。和式用、洋式用、節水型用などがあります)
- ゴム手袋
- バケツ
- 床を養生するための新聞紙やビニールシート(汚水の飛び散り防止)
- 換気(窓を開けるか換気扇を回す)
正しい使い方:
- まず、便器の周りに新聞紙やビニールシートを敷き、汚水が飛び散っても大丈夫なように養生します。ゴム手袋も装着しましょう。
- 便器内の水位を確認します。ラバーカップのゴム部分が完全に水に浸る程度の水位が理想です。水が少ない場合は、バケツで水を足してください。逆に多すぎる場合は、汲み出します。
- ラバーカップのゴム部分を、便器の排水口に隙間ができないようにしっかりと密着させます。
- ラバーカップの柄を両手で持ち、ゆっくりと押し込み、限界まで押し込んだら勢いよく引き抜きます。この「押す」力よりも「引く」力を意識するのがコツです。
- この作業を数回繰り返します。「ゴポゴポ」という音がして水が流れ始めたら、つまりが解消されたサインかもしれません。
- つまりが解消されたか確認するために、バケツで少しずつ水を流し入れてみます。スムーズに水が引いていくようであれば、最後にトイレのレバーを「小」で流して最終確認しましょう。
ラバーカップにはいくつかの種類があります。ご自宅のトイレに合ったものを選びましょう。
種類 | 特徴 | 主な用途 |
---|---|---|
和式用ラバーカップ | お椀型のシンプルな形状 | 和式便器、古いタイプの洋式便器の排水口 |
洋式用ラバーカップ | 先端に突起(ツバ)が付いており、洋式便器の複雑な排水口にもフィットしやすい | 一般的な洋式便器 |
節水型トイレ用ラバーカップ | 複雑な形状の排水口や、奥まった位置にある排水口に対応できるよう工夫された形状 | 節水型トイレ、最新式のトイレ |
もしラバーカップで何度か試しても改善しない場合は、無理に続けず、他の方法を検討するか、専門業者に連絡することをおすすめします。
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つまりの解消:真空式パイプクリーナーの効果的な使用法
真空式パイプクリーナーは、ラバーカップよりも強力な吸引力と押し出す力でつまりを解消する道具です。
ホームセンターなどで手に入ります。
使い方:
- 基本的な準備はラバーカップと同じです。床の養生、ゴム手袋の装着、換気を行いましょう。
- 便器内の水位を調整します。クリーナーの先端ゴム部分が水に浸る程度が目安です。
- クリーナーのハンドルを押し込んだ状態で、先端のゴム部分を排水口にしっかりと密着させます。
- ハンドルを力強く引き上げます。この時、強い吸引力が発生します。
- 次に、ハンドルを押し込みます。これにより、圧力がかかり、つまりを押し流す効果が期待できます。
- この引き上げと押し込みの動作を数回繰り返します。
- つまりが解消されたか、バケツで水を流して確認します。
真空式パイプクリーナーは強力な分、使い方を誤ると便器や配管を傷める可能性もあります。
必ず製品の取扱説明書をよく読んでから使用してください。特に古い便器や配管の場合は慎重に扱いましょう。
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これは、一時的に水量を増やし、その水圧でつまりを押し流そうとする方法です。
トイレットペーパーなどの軽いつまりに有効な場合があります。
手順:
- 床が濡れないように、新聞紙や雑巾で養生します。
- 便器内の水位が高い場合は、灯油ポンプなどで水を汲み出し、通常時よりも少し低いくらいの水位にします。
- バケツや、水を入れた2Lのペットボトルの底を切り取ったものなどを用意します。
- 腰くらいの高さから、便器の排水口めがけて一気に水を流し込みます。水が飛び散らないように注意してください。
- この作業を2~3回繰り返します。
- 水位が下がり、流れが改善されたか確認します。
この方法は、大量の水を一気に流すことで水が溢れてしまうリスクもあるため、慎重に行ってください。
また、固形物がつまっている場合には効果が薄く、かえって奥に押し込んでしまう可能性もあるので注意が必要です。
やってはいけないNG対処法と注意点
トイレの流れが悪いと焦ってしまいがちですが、間違った対処法は状況をさらに悪化させる可能性があります。
以下の方法は避けるようにしてください。
NG行為
- 熱湯を流す 前述の通り、便器は陶器製です。熱湯をかけると急激な温度変化により、ヒビが入ったり割れたりする危険性が非常に高いです。修理ではなく便器本体の交換が必要になり、高額な費用がかかることもあります。
- 強い薬剤の安易な使用 市販のパイプクリーナーには様々な種類がありますが、強力な酸性やアルカリ性の薬剤を知識なく使用するのは危険です。特に、異なる種類の薬剤を混ぜると有毒ガスが発生することがあり、命に関わる事故につながることもあります。また、薬剤が配管の素材(特に古い金属管など)を傷めたり、浄化槽の微生物に悪影響を与えたりする可能性も考慮しなければなりません。使用する場合は、必ず製品の注意書きをよく読み、用法・用量を守ってください。
- 針金や硬い棒で無理に突く つまりの原因物を直接突いて取り除こうとするのは、非常にリスクが高い行為です。便器の表面(コーティング)を傷つけて汚れが付着しやすくなったり、最悪の場合、便器や排水管自体を破損させてしまったりする可能性があります。そうなると、修理費用も高額になってしまいます。
- 何度も大量の水を流す 流れが悪い状態で何度も水を流すと、つまりが悪化してたまった水が便器から溢れ出し、床が水浸しになる恐れがあります。まずは少量ずつ水を流して様子を見るか、前述の対処法を試すようにしましょう。
ご自身での対処が難しいと感じたり、これらのNG行為をしてしまいそうになったりした場合は、迷わず専門の水道業者に相談してくださいね。
プロの目で的確な原因究明と対処をしてもらうのが、最も安全で確実な解決策です。
こんな時はプロに依頼!水道修理業者に頼むべきケースと選び方のコツ

トイレの流れが悪い問題、ご自身で対処できることもありますが、時には専門の知識や技術が必要になることも少なくありません。
無理な自己判断は禁物です。
状況を悪化させてしまう前に、プロの水道業者に相談することを検討しましょう。
ここでは、どのような場合に業者に依頼すべきか、そして信頼できる業者を選ぶためのコツについて詳しくご説明いたします。
業者依頼を検討すべき症状・状況
「これは自分で何とかできるかな?」と迷うこともあるかと思います。
以下のような症状や状況が見られる場合は、専門の水道業者にご相談いただくのが賢明です。
早期の対応が、結果的に時間と費用の節約につながることも多いんですよ。
自分で対処しても全く改善しない
ラバーカップ(スッポン)を使ってみたり、市販のパイプクリーナーを試してみたりと、ご自身でできる応急処置を試しても、トイレの流れの悪さが一向に改善しない、または一時的に良くなってもすぐに再発する場合は、原因が排水管の奥深くにあるか、あるいは特殊な詰まりである可能性が高いです。
何度も同じ対処法を繰り返すと、かえって詰まりを悪化させたり、便器や排水管を傷めてしまったりすることもあるため、注意が必要ですよ。
固形物や異物を流してしまったことが確実な場合
お子様が誤っておもちゃを流してしまったり、スマートフォンや生理用品、おむつ、ペットのトイレ砂など、水に溶けない固形物や異物を流してしまったことが明らかな場合は、ご自身で取り出すのは非常に困難です。
無理に取り出そうとすると、排水管のさらに奥へと押し込んでしまい、事態を深刻化させる恐れがあります。
このような場合は、速やかに専門業者に連絡し、適切な処置を依頼しましょう。
原因が特定できない、または排水管の奥が原因と思われる場合
トイレタンクの水量や部品には問題がなく、何を流したわけでもないのに流れが悪い、といった原因がはっきりしない場合も、プロの判断を仰ぐべきです。
便器のS字トラップよりも奥、床下の排水管、あるいは屋外の排水マスなど、目に見えない部分で問題が発生している可能性があります。
専門業者は、専用のカメラ(管内カメラ)を使って排水管の内部を調査したり、高圧洗浄機などの専門機材で詰まりを解消したりすることができます。
排水マスや浄化槽など、専門知識が必要な箇所の問題
一軒家の場合、敷地内に設置されている排水マスや最終マス、あるいは浄化槽(設置されている場合)の詰まりや不具合が、トイレの流れの悪さに影響していることがあります。
これらの設備は、定期的な点検や清掃が必要ですが、専門的な知識や専用の道具がないと安全に作業できません。
排水マスに油汚れや木の根が侵入している、浄化槽の機能が低下しているなどの場合は、専門業者による点検・修理が必要です。
頻繁に流れが悪くなる、根本的な解決が必要な場合
一度修理しても、短期間のうちに何度もトイレの流れが悪くなるという場合は、排水管の勾配不良、経年劣化による配管の損傷、庭木の根の侵入など、根本的な原因が潜んでいる可能性があります。
このようなケースでは、一時的な詰まり除去だけでは解決せず、排水管の修繕や交換といった大掛かりな工事が必要になることもあります。
専門業者に詳細な調査を依頼し、根本的な解決策を見つけることが大切です。
信頼できる水道業者の見極め方
いざ水道業者に依頼しようと思っても、「どこに頼めばいいの?」と迷ってしまいますよね。
残念ながら、中には高額な請求をする悪質な業者も存在します。
安心して任せられる信頼できる水道業者を見極めるためのポイントをいくつかご紹介しますね。
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見積もりの透明性と追加料金の有無
まず大切なのは、作業前に必ず詳細な見積もりを提示してくれるかどうかです。
見積書には、作業内容、各項目の費用、部品代などが明確に記載されているかを確認しましょう。
「基本料金〇〇円~」といった曖昧な表示だけでなく、総額でいくらかかるのか、追加料金が発生する可能性がある場合はどのようなケースでいくらくらいかかるのか、事前にしっかりと説明を求めることが重要です。
口頭だけでなく、書面で見積もりをもらうようにしましょう。
実績・評判・口コミの確認
業者のウェブサイトで施工事例や実績を確認するのはもちろんのこと、インターネット上の口コミサイトやレビュー(Googleマップのクチコミ、地域の情報サイトなど)も参考にしましょう。
実際に利用した人の生の声は、業者の対応や技術力を知る上で非常に役立ちます。
ただし、口コミはあくまで個人の感想なので、複数の情報を総合的に判断することが大切です。
また、地域で長年営業している業者は、それだけ信頼されている証とも言えますね。
保証やアフターサービスの充実度
修理後の保証制度やアフターサービスがしっかりしているかも重要なポイントです。
万が一、修理後に同じトラブルが再発した場合に、無償で再対応してくれるのか、保証期間はどのくらいかなどを確認しておきましょう。
また、PL保険(生産物賠償責任保険)に加入している業者であれば、作業中の万が一の物損事故などにも対応してもらえるため、より安心です。
修理費用の目安と内訳
トイレの詰まり修理にかかる費用は、原因や作業内容、使用する機材によって大きく変動します。
あくまで一般的な目安として、いくつかのケースの費用相場と主な内訳をご紹介しますが、必ず複数社から見積もりを取り、比較検討することを強くおすすめします。
作業内容 | 費用目安(税込) | 主な内訳の例 |
---|---|---|
軽度の詰まり(ラバーカップ・ローポンプ使用) | 8,000円 ~ 15,000円程度 | 基本料金、出張費、作業費 |
薬剤による詰まり除去 | 10,000円 ~ 20,000円程度 | 基本料金、出張費、作業費、薬剤費 |
便器脱着による異物除去 | 20,000円 ~ 40,000円程度 | 基本料金、出張費、作業費、便器脱着費、パッキン等部品代 |
高圧洗浄機による排水管洗浄(戸建て・部分) | 25,000円 ~ 50,000円程度 | 基本料金、出張費、作業費(洗浄範囲や時間による) |
排水マス・最終マスの清掃(1箇所) | 15,000円 ~ 30,000円程度 | 基本料金、出張費、作業費(汚れ具合やマスの数による) |
管内カメラ調査 | 15,000円 ~ 30,000円程度 | 基本料金、出張費、調査費(他の作業とセットで割引の場合あり) |
※上記はあくまで一般的な目安です。
深夜・早朝の割増料金、駐車料金などが別途かかる場合もあります。
見積もりを取る際には、費用の内訳をしっかり確認し、不明な点は遠慮なく質問するようにしてくださいね。
納得のいく説明をしてくれる業者を選ぶことが、後悔しないための第一歩です。
再発防止!一軒家のトイレの流れを良好に保つための予防策

トイレの流れが悪くなるのは本当に困りますよね。
一度トラブルが起きると、日常生活にも支障が出てしまいます。
ですが、普段のちょっとした心がけや定期的なメンテナンスで、トイレの流れが悪くなるリスクをぐっと減らすことができるんです。
私と一緒に、快適なトイレ環境を保つための予防策を見ていきましょう。
日常で気をつけるべきトイレの使い方
まず、トイレの流れを良好に保つための最も基本的かつ重要な予防策は、日々の正しい使い方です。
誤った使い方を続けてしまうと、気づかないうちに排水管に負担をかけ、つまりや流れの悪化を招いてしまうことがあるんです。
具体的には、以下の点にご注意いただけると効果的です。
- トイレットペーパーの使いすぎに注意する
一度に大量のトイレットペーパーを流すと、溶けきる前に排水管の途中で詰まってしまうことがあります。特に、最近の節水型トイレは流す水の量が少ないため、こまめに分けて流す習慣をつけましょう。ダブル(2枚重ね)よりもシングル(1枚重ね)のトイレットペーパーを選ぶのも、詰まりにくさの観点からは有効です。 - 水に溶けないものは絶対に流さない
これは基本中の基本ですが、意外と「うっかり」が多いポイントでもあります。ティッシュペーパー、ウェットティッシュ、キッチンペーパー、お掃除シート(「トイレに流せる」と書かれていないもの)、生理用品、おむつ、綿棒、タバコの吸い殻、食べ残しや油などは、絶対にトイレに流さないでください。これらは水に溶けず、排水管を詰まらせる大きな原因となります。 - 「トイレに流せる」製品も過信しない
「トイレに流せる」と表示されているお掃除シートや猫砂などがありますが、これらも一度に大量に流すと詰まりの原因になることがあります。使用する場合は、必ず製品の指示に従い、少量ずつ流すようにしてください。心配な場合は、ゴミとして処理するのが最も安全です。 - 節水目的でタンク内に物を入れない
トイレタンク内にペットボトルなどを入れて節水しようとする方がいらっしゃいますが、これはトイレが正常に機能するために必要な水量を不足させ、結果的に流れを悪くしたり、詰まりを引き起こしたりする原因になります。メーカーが設計した通りの水量で流すことが、トイレを長持ちさせる秘訣です。
参考までに、特に注意していただきたい「流してはいけないもの」とその理由をまとめました。
流してはいけないものの代表例 | その理由 |
---|---|
ティッシュペーパー、キッチンペーパー、ウェットティッシュ(トイレ用以外) | 水に溶けにくく、繊維がほぐれにくいため、排水管内で固まりやすいです。 |
生理用品、紙おむつ、おりものシート | 吸水ポリマーが水を吸って大きく膨張し、排水管を完全に塞いでしまう危険性があります。 |
「トイレに流せる」と記載のあるお掃除シートやペットのトイレ砂(一度に大量に流す場合) | 少量であれば溶けるように作られていますが、一度に大量に流すと溶けきる前に排水管の途中で滞留し、詰まりの原因となることがあります。 |
食べ残し、調理油、カップ麺の残り汁(特に油分が多いもの) | 油分は冷えると白く固まり、排水管の内側に少しずつ蓄積していきます。これが他の汚れと結合すると、頑固な詰まりになります。 |
スマートフォン、おもちゃ、ボールペン、カイロなどの固形物 | これらは水に溶けることはなく、排水管の曲がり角や段差に引っかかり、深刻な詰まりを引き起こします。取り除くには専門的な作業が必要になることが多いです。 |
タバコの吸い殻、大量の髪の毛 | 水に溶けず、他の汚れと絡み合って詰まりの原因になります。特に髪の毛は排水口のフィルターなどでキャッチするようにしましょう。 |
日々のちょっとした意識で、トイレのトラブルは大きく減らせますよ。
定期的な清掃とメンテナンスのすすめ
毎日の正しい使い方に加えて、定期的な清掃とメンテナンスを行うことで、トイレの良好な流れをより長く維持することができます。
汚れの蓄積や部品のわずかな不調も、放置すれば大きなトラブルにつながりかねませんからね。
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便器・タンク内のこまめな掃除
便器内は、尿石や黄ばみ、黒ずみなどが固着してしまう前に、こまめにトイレ用ブラシと中性洗剤で掃除する習慣をつけましょう。
特に便器のフチ裏や水が溜まる部分は汚れやすいポイントです。
酸性や塩素系の洗剤を使用する場合は、必ず換気を良くし、製品の注意書きをよく読んでから使用してくださいね。
異なる種類の洗剤を混ぜると有毒ガスが発生する危険があるので、絶対にやめましょう。
そして、意外と見落としがちなのがトイレタンクの中です。
タンク内には水垢やカビが発生しやすく、これらがタンク部品の動きを悪くしたり、悪臭の原因になったり、さらには便器へ流れる水に汚れが混じって流れを悪化させることもあります。
年に1~2回程度、タンク専用の洗浄剤(中性のものや酸素系のものが比較的安全です)を使って清掃するのがおすすめです。
ただし、タンクの蓋を開ける際は慎重に。
陶器製のものは重く、割れやすいので注意が必要です。
内部の部品に無理な力を加えないようにしましょう。
ご自身での作業に不安がある場合は、無理せず専門業者にご相談ください。
パイプクリーナーを使った排水管ケア
月に1回程度、市販の液体パイプクリーナー(粘度の高いジェルタイプがおすすめです)を使用して排水管の予防的なケアを行うのも良いでしょう。
これにより、排水管内部に付着し始めた軽微な油汚れや石鹸カス、髪の毛などを分解し、流れをスムーズに保つ効果が期待できます。
ただし、パイプクリーナーは製品ごとの使用方法や使用量を必ず守ってください。
頻繁すぎる使用や、一度に大量に使うことは、かえって排水管(特に古い金属管など)を傷めてしまう可能性があります。
また、すでに固形物が詰まっている場合や、尿石などの硬い付着物には効果が薄いことも理解しておきましょう。
あくまで予防的なメンテナンスとして活用するのが賢明です。
排水マス・浄化槽の定期点検(一軒家の場合)
一軒家にお住まいの場合、トイレだけでなく家全体の排水に関わる敷地内の排水マスや最終マス、そして浄化槽(設置されている場合)の定期的な点検と清掃が非常に重要になります。
これらはマンションにはない、一軒家特有のメンテナンスポイントですね。
排水マスは、キッチンからの油汚れ、浴室からの髪の毛や石鹸カス、洗濯排水の糸くず、そして屋外からの雨水と一緒に流れ込む土砂などが溜まりやすい場所です。
これらの汚れが蓄積すると、排水全体の流れが悪くなり、結果としてトイレの流れにも影響を及ぼすことがあります。
年に1回程度は排水マスの蓋を開けて内部の状態を確認し、汚れが溜まっているようであれば清掃しましょう。
ご自身でスコップなどを使って汚れを取り除くことも可能ですが、量が多い場合や臭いがきつい場合は専門業者に依頼するのが安心です。
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浄化槽が設置されているご家庭では、法律により定期的な保守点検、清掃、法定検査が義務付けられています。
これらを怠ると、浄化機能が低下し、悪臭の発生や深刻な排水トラブル、さらには環境汚染につながることもあります。
必ず契約している専門業者に依頼し、適切な時期に点検と清掃を行ってもらいましょう。
浄化槽の不調がトイレの流れの悪さに直結することも少なくありません。
トイレリフォームという選択肢:古いトイレの問題解決
長年使用しているトイレで流れが悪い状態が頻繁に起こる、あるいは様々な対策を試してもなかなか改善しないという場合は、トイレ本体の交換、つまりトイレリフォームも根本的な解決策として有効な選択肢です。
古いトイレは、どうしても経年劣化により排水機能が低下していたり、節水性能が現代の基準に比べて劣っていたりすることがありますからね。
例えば、一般的に15年以上使用しているトイレは、便器自体の見えない部分に汚れが蓄積していたり、排水路の設計が古かったり、タンク内の部品が摩耗して本来の性能を発揮できていなかったりする可能性があります。
このような場合、部分的な修理を繰り返すよりも、思い切って新しいトイレに交換した方が、結果的に快適で経済的になることもあります。
最新のトイレは、少ない水量でも強力な水流でしっかりと汚物を排出できるように、洗浄方式が工夫されています。
例えば、渦を巻くような水流で便器全体を効率よく洗浄するタイプや、便器の形状自体が汚れにくく、かつ流れやすいように設計されているものなど様々です。
これにより、水道代の節約につながるだけでなく、詰まりにくいという大きなメリットも得られます。
また、リフォームの際には、トイレ本体だけでなく、床下の排水管の状態も専門業者に確認してもらうことをおすすめします。
もし排水管の勾配が適切でなかったり、長年の使用で内部に汚れがひどく蓄積していたりする場合には、トイレを新しくしても問題が完全には解決しないこともあります。
そのような場合は、排水管の清掃や一部交換といった工事も併せて検討することで、トイレの流れに関する悩みを根本から解消できる可能性が高まります。
トイレリフォームは費用もかかることですので、まずは信頼できる水道業者やリフォーム会社に相談し、ご自宅のトイレの状況をしっかりと診断してもらった上で、最適なプランを提案してもらうことが大切です。
まとめ
一軒家のトイレの流れが悪いというお悩み、本当にお辛いですよね。
この記事では、その原因とご自身でできる対処法、そして専門業者への依頼の目安をお伝えしました。
トイレの流れが悪い状態を放置すると、悪臭や逆流など、より深刻な問題に繋がる可能性があります。
まずは落ち着いて原因を探り、簡単な対処法から試してみてください。
それでも改善しない、または原因が特定できない場合は、無理せず私たち専門家にご相談いただくのが解決への近道です。
日頃の正しい使い方とメンテナンスで、快適なトイレを保ちましょう。
水道屋さんに関する体験を教えて下さい