【プロが教える】蛇口水漏れ修理|自分でできる対処法

蛇口から水がポタポタ漏れていると、水道代も心配になりますし、何より早く直したいですよね。
蛇口の水漏れはご自分で修理できる可能性があります。
特に単水栓は構造がシンプルで修理しやすい蛇口です。
仮に自分で修理ができなくても、応急的に蛇口の水漏れを止めることも可能です。
この記事では、まず緊急時に水漏れを止める方法や止水栓の操作を解説し、蛇口の水漏れの原因特定とDIY修理の具体的な手順、必要な工具や部品の選び方まで分かりやすく解説しています。
また、ご自分での修理が難しい場合の水道業者選びのポイントもお伝えしますのでぜひ参考にしてください。
それではまず、止水栓を使って蛇口の水漏れを応急的に止める方法からご紹介します。
目次
蛇口の水漏れ発生!まず行うべき応急処置

蛇口から水漏れが発生した場合、まず最初に行うべきことは水を止めることです。
蛇口から水が出っぱなしでは慌ててしまうのは当然です。
まずは水を止めて冷静に判断できるようにしましょう。
蛇口の水漏れトラブルが発生したら、いきなり水道修理業者を探したり修理を試みたりするのではなく、まずは目の前の漏水を止める応急処置をすることで冷静な判断ができるようになり、ぼったくり被害に合うことも防げます。
それでは止水栓を使った蛇口の水漏れを止める方法を解説します。
止水栓で水を止める方法
止水栓をご存知でしょうか?
止水栓とは、給水管の途中に設置されている水栓のことで、水道設備の修理や交換の際に一時的に水道を止められるように配管に設置されています。
水道の元栓も同じように給水を止めることができますが、止水栓は水道設備ごとに設置されているので、ピンポイントで水を止めることができます。
ただし、止水栓が付いているかどうかは建物によって変わりますので、まずはご自宅に止水栓が付いているか確認してみましょう。
場所別止水栓の位置と閉め方
止水栓の位置は設置場所によって異なりますが、基本的には各蛇口に繋がる給水管と給湯管に設置されています。
以下の表で場所別の主な止水栓の位置をご確認ください。
設置場所 | 止水栓の位置 | 特徴・注意点 |
---|---|---|
トイレ | タンク横のパイプ、壁際の床付近 | タンクへの給水管に設置 比較的見つけやすい位置にあります |
洗面台 | 洗面台下の収納スペース内 | 給水管と給湯管の途中に設置 水漏れを止めるには両方閉める必要があります |
浴室 | 水栓の根元 ※水道の元栓を閉める必要があることも | 混合水栓の設置面の脚付近にマイナスドライバーで回せる箇所がある |
キッチン | キッチンシンク下の収納スペース内 | 給水管の分岐部分に設置。 お湯と水で2つある場合があります |
洗濯場 | なし | 水栓本体にストッパーが付いていますが、水漏れする場合は水道の元栓を閉める必要があります |
トイレの止水栓
トイレの止水栓は、便器の横にある給水管に設置されています。
通常、床から立ち上がった配管の途中にあり、比較的見つけやすい位置にあります。
トイレタンクに繋がる配管をたどれば必ず見つけることができます。
トイレタンクへの給水をコントロールしているため、この止水栓を閉めることでトイレの水漏れを止めることができます。
洗面台の止水栓
洗面台の止水栓は、洗面台下の収納スペース内にあります。
扉を開けると、給水管の途中に設置されているのが確認できます。
洗面台は温水と冷水の2つの配管がある場合が多いため、止水栓も2つ設置されていることがあります。
また、化粧板で見えないようになっている場合もあります。
浴室の止水栓
浴室の止水栓は、基本的に付いていないと考えたほうがよいかもしれません。
その為、お風呂用の混合水栓の根元に止水栓の代わりになるものがついていることが多いです。
これは蛇口の設置面にあります。
混合水栓の脚の部分に、マイナスドライバーで回せそうな箇所があれば、そこで止水ができます。
キッチンの止水栓
キッチンの止水栓は、シンク下の収納スペース内にあります。
給水管の分岐部分に設置されており、混合水栓の場合は温水用と冷水用の2つが設置されています。
食器洗い乾燥機が設置されている場合は、さらに分岐された配管にも止水栓が付いていることがあります。
洗濯場の止水栓
洗濯場の止水栓は基本的にないと考えましょう。
その為、洗濯水栓自体にストッパーとなる機能が付いていることが多いです。
蛇口本体からの水漏れを止めるには、水道の元栓を閉めるようにしましょう。
止水栓の種類と操作方法
止水栓には形状によっていくつかの種類があり、若干ですが操作方法も異なります。
ですが、直感的にわかると思いますので、基本的な閉め方と閉める方向を覚えておけば問題ありません。
止水栓を回す方向
- 時計回り(右回し) :閉める(水が止まる)
- 反時計回り(左回し):開く(水が出る)
それでは止水栓の形状についてもご紹介します。
アングル型止水栓
アングル型止水栓は、L字型に曲がった形状をしています。
最も一般的な止水栓で、多くの住宅で使用されています。
操作は上部の溝にマイナスドライバーを差し込み、時計回りに回すことで閉まります。
アングル止水栓はトイレで使用されることが多いです。
ハンドル型止水栓
ハンドル型止水栓は、手で直接回せるハンドルが付いた止水栓です。
工具を使わずに操作できるため、緊急時に最も便利な止水栓です。
時計回りに回すことで閉まり、反時計回りに回すことで開きます。
ハンドルが固い場合は、無理に回さずに他の方法を検討してください。
ストレート型止水栓
ストレート型止水栓は、直線的な切れ目が入った止水栓です。
操作方法はアングル型と同じく、上部の溝にマイナスドライバーを差し込んで操作します。
配管の途中に設置されることが多く、比較的コンパクトな設計になっています。
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水道の元栓で水漏れを止める方法
止水栓が見つからない場合や、止水栓を閉めても水漏れが止まらない場合は、水道の元栓を閉めることで代用できます。
水道の元栓を閉めることで家全体への水の供給を止めることができますが、他の水道設備も使用できなくなることを覚えておいてください。
水栓の元栓を閉めたときの注意点としては、元栓を閉めてもすぐに水漏れが止まらず、配管内が空になるまで水が漏れ続けます。
すぐに水漏れが止まらない可能性があるとだけ覚えておいてください。
水道の元栓が閉まっているか確実に確認するには、水道メーターの針が回っていないかを確認してください。
水道の元栓が閉まっている=メーターは止まります。
戸建住宅の水道の元栓
戸建住宅の場合、水道の元栓は通常、敷地内の地面に設置されています。
多くの場合、道路に面した敷地境界付近にあり、地面に埋め込まれた蓋付きのボックス内にあります。
蓋には「水道」や「止水栓」「量水器」などの表示があることが多いです。
水道の元栓は通常、ハンドル式またはボール式になっており手で回すことができます。
ただし、普段使用されないため固くなっていることが多く、スパナなどの工具が必要になる場合があります。
時計回りに回すことで閉まります。
自治体によっては特殊な工具が必要なこともあります。
このような場合はお住まいの自治体へ相談してください。
マンション・アパートの水道の元栓
マンションやアパートにお住まいの場合、水道の元栓は各住戸専用のものが設置されています。
一般的には、玄関ドア近くにあるPSボックス(パイプスペース)内に設置されており、水道メーターと一緒に収められています。
集合住宅の場合、居住者の判断だけで元栓を閉めることができない場合があります。
管理人さんや管理会社への連絡が必要な場合もありますので、まずは管理会社にお問い合わせいただくことをおすすめします。
緊急時であることを伝えれば、適切な対応を指示してもらえます。
蛇口が水漏れする原因

蛇口から水漏れが発生する原因は、主に2つに分けられます。
部品の経年劣化と蛇口の取り付け不良です。
蛇口のパッキンやカートリッジは消耗品です。
5年~10年経過したら早めに交換することをおすすめしています。
部品の経年劣化
水漏れの原因として最も多いのが部品の経年劣化です。
蛇口は日常的に使用される設備で、内部には水の流れを制御するためのゴム製パッキンや金属部品が多数使用されています。
これらの部品は使用とともに劣化し、水漏れの原因となります。
劣化しやすい部品 | 使用期間の目安 | 劣化の症状 |
---|---|---|
三角パッキン | 7~10年 | ハンドルの根元からの水漏れ |
コマパッキン(ケレップ) | 5~8年 | パイプ先端からのポタポタ漏れ |
Uパッキン・Oリング | 6~9年 | パイプ根元からの水漏れ |
カートリッジ | 8~12年 | レバー操作不良、温度調節不良、水漏れ |
特にゴム製のパッキン類は水圧や温度変化によって劣化が進みやすい部品です。
よくあるケースが「最近蛇口を強く閉めないと水が止まらない」というものです。
これはコマパッキンの劣化が進んでいる典型的な症状です。
いずれハンドルが空回りしたり、水漏れがひどくなります。
また、使用頻度の高いキッチンや洗面所の蛇口は、浴室の蛇口と比べて劣化が早い傾向にあります。
これは使用回数が多いことに加え、温水と混ざる混合水栓のためです。
蛇口の取り付け不良
二つ目の原因は蛇口の取り付け不良です。
新築時やリフォーム時の施工不備、あるいは DIY での取り付けミスが原因となるケースです。
私の経験では、築3年以内の比較的新しいお住まいで水漏れが発生した場合は設置不良を疑います。
取り付け不良による水漏れには、以下のようなパターンがあります。
不良箇所 | 原因 | 発生する症状 |
---|---|---|
蛇口の接続部 | シールテープの巻き方が不適切 | 蛇口と壁の間からの水漏れ |
給水・給湯管 | ナットの締め付け不足 | 蛇口下部からの水漏れ |
本体固定部 | 取り付けナットの緩み | 蛇口本体のグラつき |
特に注意が必要なのはシールテープの巻き方です。
テープを逆方向に巻いたり、巻く回数が不適切だったりすると、時間の経過とともに水漏れが発生します。
例えば、ホームセンターで部品を購入してご自身で交換された後に水漏れが起こる場合、このシールテープの施工不良が原因となることが多いです。
また、給水管や給湯管の接続不良も見逃せません。特にシングルレバー水栓の場合、給水と給湯の2本の配管を接続する必要があり、どちらか一方でも接続が不完全だと水漏れの原因となります。マンションなどの集合住宅では、階下への漏水被害につながる可能性もあるため、早急な対応が必要です。
DIYで修理してみたい方へ|実践ガイド

蛇口の水漏れの応急処置ができましたら、いよいよ実際の修理に取り掛かります。
経験上、蛇口の水漏れはパーツの経年劣化が主な原因ですので、該当する部品を交換することで解決できるケースがほとんどです。
蛇口の修理作業を始める前に、必ず止水栓を閉めて水を止めてから作業を行ってください。
安全第一で進めていきましょう。
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この症状は比較的よく見られる蛇口の水漏れのパターンですね。
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三角パッキン交換
ハンドルの根元からの水漏れで最も多いのが、三角パッキンの劣化です。
作業項目 | 詳細 |
---|---|
必要な工具 | モンキーレンチ、ピンセット |
必要な部品 | 三角パッキン、ワッシャー |
作業時間の目安 | 約30分 |
作業手順としては、まずハンドルを外してから、古い三角パッキンを取り除きます。
新しい三角パッキンを正しい向きで設置し、ワッシャーも一緒に交換することをおすすめします。
三角パッキンは消耗品ですので、定期的な交換が必要な部品です。
交換の際は、同じサイズのものを必ず選んでください。
コマパッキン(ケレップ)交換
ハンドル式蛇口の内部にあるコマパッキン(ケレップ)も、水漏れの原因となる重要な部品です。
作業項目 | 詳細 |
---|---|
必要な工具 | モンキーレンチ、ピンセット |
必要な部品 | ケレップ(コマパッキン) |
作業時間の目安 | 約20分 |
ケレップは金属部とゴムパッキン部で構成されています。
本体を丸ごと交換する方法と、パッキンだけを付け替える方法がありますが、私は本体ごと交換することをおすすめしています。
この機会に節水ケレップに交換すると、節水効果も期待できて一石二鳥ですよ。
パイプの根元からの水漏れの修理
パイプの根元、つまり可動部分からの水漏れは動きがある部分だけに劣化しやすい箇所です。
比較的頻繁に発生する水漏れパターンですね。
Uパッキン・Oリング交換
パイプの根元から水が漏れている場合は、接合部のパッキンが劣化しています。
作業項目 | 詳細 |
---|---|
必要な工具 | モンキーレンチ、ピンセット |
必要な部品 | Uパッキン、Oリング |
作業時間の目安 | 約40分 |
パイプを取り外して、古いUパッキンやOリングを慎重に取り除きます。
新しいパッキンを取り付ける際は、正しい向きと位置を確認することが重要です。
Oリングは特に小さな部品ですので、紛失しないよう注意深く作業を進めてください。
予備として複数個用意しておくと安心ですね。
蛇口本体接続部からの水漏れの修理
蛇口と配管の接続部分から水が漏れている場合は、シールテープの劣化が考えられます。
この修理はやや上級者向けの作業になります。
シールテープ巻き直し
蛇口本体を取り外してシールテープを巻き直す作業が必要です。
作業項目 | 詳細 |
---|---|
必要な工具 | 水栓レンチ、カッター、ウォーターポンププライヤー |
必要な部品 | シールテープ(水道用) |
作業時間の目安 | 約60分 |
まず蛇口本体を水栓レンチで慎重に取り外します。
古いシールテープを完全に除去してから、新しいシールテープを時計回りに巻いていくのがポイントです。
シールテープの巻き方にはコツがありまして、適度な張力をかけながら隙間ができないように注意が必要です。
また、蛇口の向きが正しくないからといって逆向きに回したりはしないようにしてください。
蛇口を取り付けるときに1度でも逆向きにまわしてしまったら、再度シールテープの巻き直しをしましょう。
ここが一番難しく、コツがいるポイントです。
巻き終わったら、蛇口を元の位置に戻して水漏れがないか確認しましょう。
シングルレバー水栓の修理
シングルレバー水栓は構造が複雑ですが、多くの場合カートリッジの交換で問題が解決します。
カートリッジ交換
シングルレバー混合水栓の心臓部とも言えるカートリッジの交換について説明いたします。
作業項目 | 詳細 |
---|---|
必要な工具 | 精密ドライバー一式、六角レンチ |
必要な部品 | 専用カートリッジ |
作業時間の目安 | 約45分 |
カートリッジは蛇口のメーカーや型番によって専用のものが必要です。
必ず同じメーカーの対応するカートリッジを使用してください。
レバーを外してから、内部のカートリッジにアクセスします。
カートリッジには向きがありますので、取り外す際に向きをしっかりと覚えておくことが大切です。
逆に向きに取り付けてしまい、お湯と水が逆に出るなんてケースもあります。
新しいカートリッジを取り付ける際は、無理な力を加えず、スムーズに入る位置を見つけて設置してください。
最後に各部品を元通りに組み立てて、動作確認を行います。
私の経験では、カートリッジ交換は5年から10年に一度の頻度で交換すると故障もなく快適にお使いいただけます。
水の出が悪くなったり、温度調整が効かなくなったりした場合もカートリッジ交換で改善することがほとんどです。
修理に必要な工具と部品の準備

蛇口の水漏れ修理を成功させるためには、適切な工具と部品を事前に準備することが重要です。
修理の途中で工具が足りないことに気づくと、作業が中断してしまい長時間のあいだ水道が使えなくなる可能性があります。
必要な道具を揃えてから作業を始めることで、修理がスムーズに進み失敗のリスクも大幅に減らすことができます。
蛇口の修理に必要なものは大きく分けて「工具」と「部品」の2つに分かれます。
どちらもホームセンターやネットで購入できるものばかりですので、事前にチェックしておきましょう。
蛇口修理時の基本工具セット
蛇口修理では、いくつかのの工具が必要になります。
ここでは、水漏れ修理で最も使用頻度の高い基本工具をご紹介いたします。
全ての工具を一度に揃える必要はありませんが、修理箇所に応じて必要な工具を準備しておくことが大切です。
モンキーレンチ
モンキーレンチは、ナットやボルトを締めたり緩めたりするのに必須のアイテムです。
スパナでも代用できますが、頭のサイズを調整できるモンキーレンチでないとボルトやナットにダメージを与えてしまうケースがあるため、モンキーレンチの使用をおすすめします。
特に蛇口のナット類は様々なサイズがあるため、一本で複数のサイズに対応できるモンキーレンチは非常に便利です。家庭用であれば、口の開きが10mm〜24mm程度のものを選んでおけば、ほとんどの蛇口修理に対応できます。
精密ドライバー
ネジを回す作業が必要になる場合、精密ドライバー一式の出番です。
ハンドルの形状やネジの大きさによって使用する種類にそれぞれ違いがありますので、プラス・マイナス1本ずつあると何かと便利です。
蛇口修理では、特にシングルレバー水栓のカートリッジ交換時に小さなネジを外す作業が多くなります。
通常のドライバーでは大きすぎて作業がしにくいため、精密ドライバーセットを用意しておくことをおすすめします。
ピンセット
蛇口の修理では小さなパーツを扱いますので、ピンセットがあると便利です。
特に、蛇口の内部にあるパッキンやナットなどを拾い上げるときに大活躍します。
パッキン類は非常に小さく、素手では取り扱いが困難な場合があります。
また、狭い隙間に落ちてしまったパーツを取り出す際にも、ピンセットがあれば安心して作業を進められます。
六角レンチ
最近の蛇口では、六角穴付きボルト(六角穴ボルト)を使用している製品が増えています。
このタイプのボルトには、六角レンチ(アーレンキー)が必要です。
特にシングルレバー水栓や、デザイン性の高い蛇口では六角ボルトが多用されています。
サイズは2mm、3mm、4mm、5mm、6mmが主流ですので、セット品を購入しておくと安心です。
プラスチック製のハンドルやレバーの取り外しでよく使用します。
ウォーターポンププライヤー
ウォーターポンププライヤーは、丸いパイプやナット類をしっかりと掴むことができる専用工具です。
モンキーレンチでは掴みにくい形状の部品や、より強い力が必要な作業で重宝します。
蛇口の接続部分やパイプ類は丸い形状が多いため、通常のペンチでは滑ってしまうことがあります。
ウォーターポンププライヤーがあれば、安全かつ確実に部品を回すことができ、作業効率が大幅に向上します。
工具名 | 主な用途 | サイズの目安 |
---|---|---|
モンキーレンチ | ナット・ボルトの締緩 | 10-24mm対応 |
精密ドライバー | 小さなネジの締緩 | プラス・マイナス各種 |
ピンセット | 小部品の取り扱い | 先端細型 |
六角レンチ | 六角穴ボルトの締緩 | 2-6mmセット |
ウォーターポンププライヤー | パイプ・丸ナットの締緩 | 200-250mm |
蛇口の部品
工具の準備ができましたら、次は交換用の部品を用意しましょう。
部品は蛇口のメーカーや型番によって異なるため、事前に確認してから購入することが重要です。
互換性のない部品を使用すると、修理後にさらに水漏れが悪化する可能性がありますので注意が必要です。
パッキン類
パッキンは蛇口修理で最も交換頻度の高い部品です。
ゴム製のため経年劣化しやすく、多くの水漏れの原因となっています。
種類も豊富で、それぞれ異なる役割を果たしています。
主なパッキンの種類をご紹介します。
コマパッキン(ケレップ)は蛇口の先端からの水漏れを防ぐ部品で、単水栓でよく使用されます。
三角パッキンはハンドル部分からの水漏れを防ぐ部品です。
Uパッキン・Oリングはパイプの接続部分に使用され、様々なサイズがあります。
パッキンを購入する際は、できるだけ現在使用中のものと同じ品番のものを選ぶことをおすすめします。
サイズが少しでも違うと、正しく密封できずに水漏れの原因となってしまいます。
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カートリッジ
シングルレバー水栓で使用されるカートリッジは、水量や温度調節を行う重要な部品です。
カートリッジが故障すると、水が止まらなくなったり、温度調節ができなくなったりします。
カートリッジは蛇口のメーカーや型番によって形状が大きく異なります。
TOTO、LIXIL、KVKなど、各メーカー専用のカートリッジが販売されていますので、必ずお使いの蛇口に適合するものを選んでください。
品番は蛇口本体や取扱説明書で確認できます。
交換の目安は約10年ですが、使用頻度や水質によって寿命は変わります。
水の出が悪くなった、レバーが重くなった、温度調節がうまくできないといった症状が現れたら、カートリッジの交換時期です。
シールテープ
シールテープは配管の接続部分からの水漏れを防ぐ重要なアイテムです。
蛇口と壁の配管を接続する部分に巻いて使用し、隙間を埋めて水漏れを防止します。
シールテープには厚みや材質の違いがあります。
一般的な家庭用蛇口には、厚み0.1mm程度の標準的なシールテープを使用します。
巻く方向や回数にコツがありますので、正しい方法で使用することが大切です。
シールテープは消耗品のため、修理の際は新しいものに交換することをおすすめします。
古いテープが残っていると密封性が低下し、再び水漏れが発生する可能性が高いです。
部品名 | 主な用途 | 選び方のポイント |
---|---|---|
コマパッキン | 蛇口先端の水漏れ防止 | サイズ・形状を正確に確認 |
三角パッキン | ハンドル部の水漏れ防止 | 蛇口メーカーに適合するもの |
Uパッキン・Oリング | パイプ接続部の密封 | 内径・外径・厚みが重要 |
カートリッジ | シングルレバー水栓の制御 | 品番の完全一致が必須 |
シールテープ | 配管接続部の密封 | 厚み0.1mm程度の標準品 |
修理に必要な工具と部品の準備について詳しくご説明いたしました。
適切な道具と部品を揃えることで、蛇口の水漏れ修理を安全かつ確実に行うことができます。
ただし、修理作業に不安がある場合や、適合する部品が見つからない場合は、無理をせずに専門の水道業者にご相談されることをおすすめします。
不安な場合は水道修理業者に依頼したほうが安心

蛇口の水漏れ修理は、確かにご自身で対応できるケースが多くあります。
しかし、私の経験上、無理をして修理を試みるよりも、最初から水道修理業者に依頼した方が安心な場合があることも事実です。
特に以下のような状況では、プロにお任せすることをおすすめします。
状況 | 業者依頼を推奨する理由 |
---|---|
設置後10年以上経過している蛇口 | 本体の劣化が進んでおり、修理時に他の部分を損傷するリスクが高い |
センサー式蛇口(タッチレス水栓) | 精密機器が内蔵されており、分解による故障の可能性がある |
水漏れ原因が特定できない | 適切な診断と修理方法の判断にプロの知識が必要 |
DIY経験がない | 工具の調達や部品選びで結果的にコストが高くなる可能性 |
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水道修理業者に依頼するメリット
水道修理業者の比較メディアとして、私が考える業者依頼の最大の利点をご紹介します。
確実性と安心感が何よりも重要なポイントです。
確実に修理をしてもらえる
水道修理業者の最大のメリットは、確実性の高い修理が期待できることです。
プロは豊富な経験と専門知識を持っており、様々な蛇口の構造や故障パターンを熟知しています。
例えば、一見単純な水漏れに見えても、実際には複数の原因が絡んでいるケースがあります。
ご自身で修理を試みた場合、一つの原因を解決しても別の箇所から再び水漏れが発生する可能性があります。
プロであれば、総合的な診断を行い、根本的な解決を図ることができます。
また、適切な工具と正確な部品選択により、修理の成功率が格段に上がります。
間違った部品を使用したり、不適切な工具で作業したりすることで生じる二次的な故障を防ぐことができるのです。
修理保証がある
信頼できる水道修理業者では、修理後の保証制度を設けているところがほとんどです。
これは、ご自身で修理する場合には得られない大きな安心材料となります。
一般的な保証期間は1年程度で、修理箇所に再び不具合が生じた場合は無償で対応してもらえることもあります。
万が一、修理直後に別の問題が発生した場合でも、適切なアフターフォローを受けることができます。
手間が掛からない
水道修理業者に依頼する最も実用的なメリットは、お客様の時間と労力を大幅に節約できることです。
ご自身で修理する場合、以下のような手間が発生します。
自分で修理する際に必要な項目
- 水漏れ箇所の特定と原因調査
- 必要な工具や部品の調達
- 修理作業の実施
- 修理後の動作確認
- 失敗した場合の再修理
特に働いている方や小さなお子様がいるご家庭では、これらの作業に時間を割くことが難しい場合が多いでしょう。
水道業者に依頼すれば、電話一本で全ての問題が解決し、お客様は他の大切なことに時間を使うことができます。
また、修理に失敗して被害が拡大するリスクも回避できます。
例えば、止水栓の締め過ぎによる破損や、配管接続部の損傷などが発生すると、修理費用が大幅に増加する可能性があります。
最初からプロに依頼することで、このようなリスクを最小限に抑えることができるのです。
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まとめ
蛇口の水漏れは、まず止水栓や元栓で応急処置を行うことが大切です。
パッキンの劣化や取り付け不良が主な原因となっており、簡単な部品交換であれば工具を揃えてDIYでの修理も可能です。
しかし、配管工事が必要な場合や修理に自信がない時は、確実性と保証を考慮して水道修理業者に依頼することをおすすめします。
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