汚水枡の掃除してますか？1年以上放置してる場合は点検を

汚水枡の掃除は定期的な点検と掃除が必要です。
汚水桝を放置していると、突然の詰まりや下水の悪臭の発生など、様々なトラブルを引き起こします。
この記事では、『汚水枡を掃除する必要性』『具体的な汚水桝の掃除方法』『水道業者に依頼する時のポイント』まで、汚水桝のメンテナンス情報を網羅的にお伝えします。

宅お部屋の掃除と同じで、面倒くさがらず定期的に汚水桝の清掃をしておくと、排水トラブルや不要な出費を防ぐことができます。
特に戸建てにお住まいの方や、アパートのオーナー様は記事を読み終えた後に汚水桝をぜひ点検してみてください。

汚水枡の掃除が必要な理由とは

水道修理のプロとして現役の時から、多くのお客様から汚水枡に関するご相談をいただいてきました。
結論から申し上げますと、汚水枡の掃除を怠ると、排水管のつまりや悪臭などの深刻なトラブルを引き起こす可能性があります。

一戸建てにお住まいの方の多くは、屋外に設置されている汚水枡の存在をご存知でも、定期的な掃除の重要性については十分に理解されていないのが現状です。
汚水枡は、自宅の裏など目につきにくい場所にあり、その役割についてもあまり知られていないため、つい見落とされがちな排水設備です。

しかし、汚水枡は住宅の排水システムにおいて非常に重要な役割を果たしています。
キッチンや浴室などから流れた排水が合流して、本下水へと流れていく箇所でもあります。

汚水枡を掃除しないとどうなるの？

汚水枡の掃除を怠った場合に発生する主なトラブルをご紹介いたします。
これらの問題は、私が現場で実際に目にしてきた事例ばかりです。

特に深刻なのが排水の逆流です。汚水枡が完全につまってしまうと、キッチンや浴室の排水口の水が全く流れなくなってしまうことがあります。
このような状況になると、家中のは水まわりが詰まってしまうような重大なトラブルに発展します。

また、悪臭の問題も深刻です。
汚水枡に蓄積された油脂分や食材カスが腐敗すると、強烈な臭いを発生させます。
この臭いは単に不快なだけでなく、ご近所への迷惑にもなりかねません。

私がこれまでに対応したケースでは、数年間掃除をされていない汚水枡から、ドロドロの汚泥や固まった油脂の塊が大量に出てきたこともありました。
そのような状態になってしまうと、自分での掃除は困難になり、専門業者による高圧洗浄が必要になってしまいます。

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掃除の目安となる頻度

では、どのくらいの頻度で汚水枡の掃除を行えばよいのでしょうか。
結論としては、年に1～2回の定期清掃が理想的です。
ただし、ご家庭の使用状況によって適切な頻度は変わってきます。

掃除頻度を決める要因について、詳しく解説いたします。

特に注意していただきたいのは、キッチンで揚げ物を頻繁に作るご家庭や、大家族のお宅では汚れの蓄積が早いということです。
特に油脂分は冷えると固まりやすく、汚水枡や排水管の壁面に付着して排水の流れを阻害する原因となります。

また、季節による影響も考慮する必要があります。
冬場は気温が低いため油脂分が固まりやすく、夏場は高温多湿で細菌が繁殖しやすい環境になります。
そのため、可能であれば春と秋の年2回に掃除を行うことをお勧めしています。

掃除のタイミングを見極める簡単な方法として、以下の症状が現れた場合は早急に掃除を行うことをお勧めします。

これらの症状が現れた場合、汚水枡の掃除が必要なサインです。
放置すると更なるトラブルを招く可能性がありますので、できるだけ早めに対処することが大切です。

汚水枡の基礎知識

汚水枝の掃除を始める前に、まずは汚水枡について基本的な知識を身につけておきましょう。
汚水枝の種類や役割を理解することで、より効果的な掃除ができるようになります。

汚水枡の種類と役割

汚水桝には、主に「インバート枡」、「会所枡」、「最終枡」などがあります。
これらの枡は、それぞれ異なる役割と構造を持ち、排水の種類や目的に合わせて使い分けられます。
ちなみに汚水桝と排水桝は基本的に同じ意味で使用されます。

会所桝の特徴と役割

複数の排水管からの排水を集約し、まとめて排水するための枡です。
洗濯機や風呂場などの雑排水をまとめるのに使われます。

インバート桝の特徴と役割

トイレ、お風呂、洗面所、キッチンなど、生活排水を流すための桝です。
家庭から出る汚水に含まれる異物や油分を分離し、排水の流れをスムーズにする役割があります。
地域によっては、雨水も一緒に流れる場合があります。

最終桝の特徴と役割

最終桝とは、家庭や事業所から出る汚水や雨水を最終的に集めるための桝で公共桝とも呼ばれます。
敷地内の排水管から集められた排水は、最終桝を通って公共下水道や側溝に流れ込みます。

大きな特徴としては、最終桝の管理は自治体になります。
そのため、ご自身で勝手に開けたりはできません。
また、水道屋さんでも、必ず許可を取ってからでなければ作業ができません。

桝の材質による分類

汚水桝の材質はいくつかあります。
現在主流となっているのは以下の2種類です。

• 塩ビ製（現在の主流）：軽量で耐久性があり、丸型で小さなマンホールのような形状をしています
• コンクリート製（古いタイプ）：四角い形状が多く、重厚ですが経年劣化によりひび割れが起こりやすい特徴があります

汚水桝の設置場所と見つけ方

汚水桝の掃除を行うためには、まず設置場所がわからないとどうにもなりません。
敷地内に必ずあるのですが、マンホールのふたのようなものがたくさんあり、どれが汚水桝かわからないことも多いです、

水まわりごとの汚水桝の配置パターン

基本的には、キッチンや浴室など水まわり設備の数と同じだけ汚水桝が設置されています。
ただし、近年建築された住宅では効率化のため、1箇所に集約されているケースも増えています。

汚水枝の特定方法

複数の汚水桝を見るときに、どれがどの水まわりに対応しているかを確認する簡単な方法があります。
やり方はシンプルで上流から水を流せばOKです。

• 汚水桝の蓋を開ける：まず、全ての汚水枝の蓋をマイナスドライバーなどで開けておきます
• 水を流して確認する：キッチンのシンクに水を流し、どの汚水枝に水が流れ込むかを確認します
• 他の水まわりも同様に確認：浴室や洗面所でも同じように水を流して対応する汚水枝を特定します
• 位置を記録しておく：今後の掃除のために、枝の位置と対応する水まわりをメモしておくことをおすすめします

自分でできる汚水枡掃除の方法

汚水枡の掃除は、適切な道具と手順を知っていれば、ご自身でも安全に行うことができます。
定期的なメンテナンスは排水トラブルを未然に防ぐ最も効果的な方法です。

ここでは、初心者の方でも安心して作業できるよう、必要な道具から詳しい手順まで丁寧に解説いたします。

掃除に必要な道具・準備するもの

汚水枡掃除を始める前に必要な道具を準備しましょう。
全てそろえる必要はありませんが、あると便利なものもご紹介します。

また、作業用の汚れても良い服装を着用し、滑りにくい靴を履くことも重要です。
特に雨上がりなど足場が悪い日の作業は避けることをおすすめします。

汚水枡掃除の手順

安全な作業のための注意点

汚水枡の掃除を始める前に、必ず以下の安全対策を確認してください。

特に汚水枡内に頭を突っ込んだり、深く身体を入れたりすることは絶対に避けてください。
理由としては、まず汚いことです。
また、服が汚れたり、害虫や害獣が出てくる可能性もあります。

掃除の詳しい作業手順

それでは、実際の汚水桝の清掃手順を詳しく説明いたします。
この手順は、一般の方でも安全に行えるようアレンジしたものです。

水道業者に汚水枡掃除を依頼する場合

汚水枡の掃除は自分でもできますが、水道業者に依頼することで、より確実できれいに清掃を行うことができます。
水道設備のプロが行う掃除と一般の方が行う掃除では、作業内容や仕上がりに大きな違いがあります。

特に長期間掃除をしていない汚水枡や、自分で掃除をしても改善されない場合は、プロの技術と専用機材による清掃をおすすめします。

水道業者を使うメリット

水道業者に汚水枡掃除を依頼する最大のメリットは、専門的な知識と高性能な機材による徹底的な清掃が受けられることです。

具体的なメリットをご紹介します。
まず、業務用で使用する高圧洗浄機は、家庭用のものとは比較にならない強力な水圧で汚れを除去します。
例えば、頑固な油脂の塊や長年蓄積された汚れも、しっかりと洗い流すことができるのです。
出てきた汚泥が大量にあったとしても処理をしてくれます。

また、汚水枡だけでなく、接続されている排水管まで一緒に清掃することで、根本的な問題解決につながります。
完全に詰まって流れないときや、慢性的な詰まりに悩まされている方は水道業者に高圧洗浄の依頼をしましょう。

さらに、清掃と同時に汚水枡の状態チェックも行います。
ひび割れや破損、接続部の不具合など、素人では気づきにくい問題も早期に発見し、必要に応じて修理の提案もしてくれます。

費用相場と作業内容

水道業者による汚水枡の掃除の費用は、作業内容や規模によって変わります。
一般的な費用相場と作業内容をまとめてご説明します。

費用は水道業者によってかなりバラツキがあるので、必ず相見積もりを取りましょう。
排水管の長さや汚水桝の数でも費用は変動しますので、大きいお家は特に注意しましょう。

基本的な汚水枡清掃では、溜まったゴミや油脂の除去、枡内の洗浄、排水状況の確認を行います。
高圧洗浄機を使った排水管清掃も含める場合は、より徹底的な清掃が可能になります。

出張費や点検費用が無料の業者も多いため、まずは現場を見てもらい、正確な見積もりを取ることをおすすめします。

水道業者選びのポイント

汚水枡掃除を依頼する水道業者選びでは、いくつかの重要なポイントがあります。
適切な業者を選ぶことで、満足のいく清掃と適正な費用での作業が期待できます。

まず確認していただきたいのは、水道局指定工事店の認定を受けているかという点です。
この認定を受けている業者は、一定の技術基準をクリアしており、信頼性が高いといえます。

料金体系の透明性も重要なポイントです。
作業前にしっかりと見積もりを提示し、追加料金の発生条件を明確に説明してくれる業者を選びましょう。
例えば、基本料金に含まれる作業範囲や、別途費用が発生する場合の条件などを事前に確認することが大切です。

実績と経験も業者選びの大切な要素です。
汚水枡清掃の実績が豊富で、様々なトラブルに対応できる技術力を持つ業者なら安心です。
口コミや評判、ホームページでの施工事例なども参考になります。

アフターサービスの充実度も確認しましょう。
清掃後に問題が発生した場合の対応や、定期的なメンテナンスの提案など、継続的なサポートを提供してくれる業者を選ぶことをおすすめします。

汚水枡掃除のトラブルと対処法

汚水枡の掃除を行う際に、異常に気付くことがちょくちょくあります。
私が水道修理の現場で実際に遭遇した代表的なトラブル事例と、それぞれの対処法について詳しく解説いたします。

よくあるトラブル事例

汚水桝の清掃時によく見かけるトラブルは主に3つです。

コンクリート桝にヒビ（割れている）

汚水桝のひび割れは、古いコンクリート製の汚水枡でよく見られるトラブルです。
経年劣化・地盤沈下・地震・植物の根などにより、桝本体にひび割れが発生することがあります。

汚水桝のひび割れを発見した場合は、基本的に水道業者に連絡をして対処してもらいましょう。
対処としては汚水桝の交換工事になることが多いです。

木の根が汚水桝に侵入して詰まる

庭木や街路樹の根が汚水桝内に侵入し、排水の流れを阻害するトラブルです。
特に築年数の古い住宅で、大きな樹木が敷地内にある場合によく発生します。

木の根が汚水桝に侵入しているときの対処法としては、自力での解決は困難なため、専門業者への依頼をおすすめします。
理由をご説明します。

• 木の根を除去する必要がある
• 根の除去後、汚水桝の補修や交換が必要になる場合がある
• 根本的な解決には配管ルートの変更が必要な場合もある
• 再発を防ぐ対策が必要

予防策として、汚水桝から半径3メートル以内に大型の樹木を植えることは避けることをおすすめします。
汚水や下水に流れる水は、植物にとっては栄養の宝庫です。
排水管や汚水桝から水が漏れだすと、栄養を求めて木の根が伸びてきます。
植物が伸びる力は想像以上に強く、コンクリート桝でも割れてしまいます。

油の塊が汚水桝で詰まる

キッチンから流れ出た油分が冷えて固まり、汚水桝内で塊となって詰まりを起こすトラブルです。
特に冬場に発生しやすく、最も頻繁に遭遇するトラブルの一つです。

自分でできる対処法としては、お湯を使う方法があります。
ですが、完全に詰まってしまっている場合には効果がありません。

以下の状況では専門の水道業者への依頼を検討してください。

• 油の塊が固く、自力での除去が困難な場合
• 排水管の奥まで油の詰まりが進んでいる場合
• 複数回の清掃を行っても改善されない場合

私の経験では、油系の汚れは日頃からお湯を流しておくことで予防できます。
食器を洗う際に必ずお湯で流すようにしてみてください。

まとめ

汚水枡の掃除は、排水トラブルを防ぐために欠かせないメンテナンスです。
年に1回程度の定期掃除により、詰まりや悪臭を防ぐことができます。

コンクリート製の枡にひび割れがある場合や、木の根による詰まりなどの深刻なトラブルは、専門の水道業者に任せるようにしましょう。

汚水桝の掃除についてよくある質問（FAQ）

汚水桝の掃除の頻度はどのくらいが適切ですか？

一般的には年に1回程度の掃除が推奨されています。
ただし、使用頻度や汚れ具合により調整が必要です。

自分で汚水桝の掃除する場合の費用はどのくらいかかりますか？

自身で掃除をする場合はほとんど費用は掛かりません。
特別な工具もほとんど必要ありません。
ですが、高圧洗浄機を購入したりレンタルする場合は、数千円～数万円必要です。

水道業者に依頼した場合の相場は？

一般的に15,000円～30,000円程度が相場です。
汚水枡の状況や作業内容により大きく変動することもありますので、必ず相見積もりをしましょう。